80万冊を超える膨大な蔵書を有し、大学図書館ランキングでも
常にトップ10入りして、学内外から高い評価を得ている鶴見大学図書館。
学修や研究に欠かせない“智の宝庫”として、
多くの学生や教職員に利用されています。
その魅力をさらに高め、図書館への関心、親しみを深めてもらおうと、
最近は“選書ツアー”など新しい取り組みも始まっています。
そこで、二藤彰・図書館長(歯学部教授)と
長谷川豊祐・学術情報事務室事務長を囲み、
図書館をよく利用する学生代表の皆さんに、
ざっくばらんに語り合っていただきました。

 

座談会出席者(写真右から)

二藤 彰(にふじ あきら) 図書館長(歯学部教授)
長谷川 豊祐(はせがわ とよひろ) 学術情報事務室事務長
竹中 彩(たけなか あや)さん(文学部ドキュメンテーション学科4年)
糸日谷 輝(いとひや あきら)さん(文学研究科日本文学専攻 博士前期課程2年)
白井 麻衣(しらい まい)さん(歯学研究科歯学専攻 博士課程2年)
梅津 亮太(うめづ りょうた)さん(短期大学部保育科2年)

 

二藤 本日は大学図書館の魅力をPRし、もっと利用を活発にしたい─。そんな思いから、皆さんに集まっていただきました。初めに自己紹介を簡単にお願いします。
竹中 文学部ドキュメンテーション学科4年の竹中です。もうすぐ卒業です。
梅津 短期大学部保育科2年の梅津です。僕も今月に卒業します。
糸日谷 大学院の文学研究科2年の糸日谷です。日本文学(博士前期課程)を専攻しています。
白井 大学院の歯学研究科・歯学専攻(博士課程)2年の白井です。学習アドバイザーとして、図書館で学生の各種相談にも乗っています。
長谷川 事務長の長谷川です。今日は、図書館の魅力や、苦言や要望、提言を含め、率直な意見を聞かせてください。

私の図書館活用法

二藤 さて、大学図書館は本学の自慢の施設の一つです。皆さんは日頃、どのように利用していますか。
竹中 私は授業でよく利用しました。ドキュメンテーション学科は、学生全員に最新のノートパソコンが貸与され、それを使って、図書館で行う授業が結構多いんです。
 例えば、レファレンス・サービスの体験授業。図書館員の立場になり、自分のパソコンで資料や情報探しのお手伝いをするのですが、とっても面白くて、授業に集中できました。また、授業の合間に時間がある時は、よく図書館で読書を楽しんでいました。
梅津 僕も図書館には大変お世話になりました。2階に絵本やパネルシアター関連本をはじめ、幼児教育や、実習に必須の参考本などが豊富にそろっているコーナーがあるんです。保育科の学生にとっては、まさに“宝の山”。そのため、授業でも、それ以外でもしょっ中、図書館を利用していました。
二藤 糸日谷さんはいかがですか。
糸日谷 僕が図書館を積極的に使い始めたのは、大学院に進んでから。とにかく課題が多く、図書館での調べものが欠かせません。そのため、大学で過ごす時間の半分以上は、図書館に入り浸りでした。
長谷川 それはすごい。でも、なぜ学部時代から図書館を利用しなかったのですか。
糸日谷 怠惰な学生だったんですよ、学部の頃は。今ほど勉強はしていなかったので、図書館とは縁遠かったのが、今はこんなです(笑)。
二藤 白井さんは?
白井 学部の頃はレポート作成や試験勉強で、よく使いました。学期末試験の前などは、授業が終わると、クラス仲間とすぐに図書館へ。それぞれお気に入りの席があって、そこで一生懸命勉強しました。大学院生の今は、主に論文作成などで利用しています。
二藤 白井さんは学習アドバイザーもしてるんですよね。
白井 はい。その仕事で、週1回は図書館にいます。
長谷川 学習アドバイザーは、授業で分からない点やレポートの作成法、卒業論文のテーマ選び、資格や免許の取得など、学修面での様々な悩みについて、大学院生のアドバイザーが相談に乗り、学部学生を手助けする制度ですが、結構、相談は多いのですか。
白井 それほどではありません。でも、友達や先生には話しにくい悩みや困り事を、大学生活の先輩である大学院生に聞いてもらい、適切なアドバイスを得られる。とてもいい制度だと思うし、学生さんには遠慮しないで、気軽に相談に来て欲しいですね。

鶴見大学図書館の一番の魅力は?

二藤 ところで、鶴見大学図書館の一番の魅力は、どこにあると思いますか。
竹中 蔵書の多さ。やはり一番はそれでしょうね。調べものをしても、必要な書籍や参考資料がほとんどそろっていて、とても便利です。
糸日谷 蔵書の量は半端じゃないよね。僕も最初の頃は、余りの本の多さに、びっくりしました。実は今、「修論」を書き終えたところですが、学部時代の「卒論」に比べると、格段に調べることが多いんです。それでも、うちの図書館で必要な参考文献がすべて調達でき、国会図書館まで足を運ばずに済みました。
白井 質の方もすごいと思う。歯学部関連の専門書なども、主なものはほとんどそろっています。それと歯科国家試験の過去の問題集が完備しているのも魅力の一つ。歯学部の学生にとって、過去問は国試対策の必須アイテムですから、本当に助かります。
梅津 僕が一番魅力に感じるのは、やはり絵本コーナーですね。数の多さもさることながら、幼児の年齢別に絵本が分類されたりしていて、とても利用しやすい。ふかふかのソファーも置いてあり、実に居心地がいいんです(笑)。

図書館のお気に入りスポットは、どこ?

二藤 図書館で、お気に入りの場所はどこですか。
竹中 私が一番好きなのは、2階にある個人用の閲覧席。周囲の雑音に邪魔されず、静かな環境の中で、読書や勉強に集中できます。
糸日谷 僕のお気に入りは、地下1階の「書庫スペース」。天井が高く、開放的な開架式書架に大量の書籍がズラーッと並んでいて、それはもう圧巻です。個室もありますが、ここは雑音が一切なく、文字通り静寂の世界。静かで、心が休まります。(編集注=卒論執筆でも指導教員の許可で入庫可)
梅津 地下1階には視聴覚室もありますよね。僕はあそこが大好きで、授業が休講の時などによく利用しました。DVDも最新作があって、映画好きにはたまりません。
白井 視聴覚室は、息抜きに最適の場所ですよね。私も学部学生の時、よく昼休みに映画鑑賞を楽しんでいました。
二藤 図書館2階には、複数人で使え、会話なども自由なセミナー室が2部屋あります。ここはよく利用しますか。
梅津 私語を気にせず、みんなで話し合いながら、保育実習で使う工作物づくりなどができるので、保育科の学生は時々利用しています。使い勝手はいいですよね。
竹中 私もグループ学習の授業で、よく使いました。ホワイトボードもあり、便利なのですが、ノートパソコンをつなぐ電源スペースが足りない。そこが少し難点ですね。


グループ学習中のセミナー室
“宝の山”の貴重本

二藤 図書館3階には「貴重書庫」があり、1万2千点に及ぶ古今東西の貴重本が収蔵されています。皆さんは、この“宝の山”を実際に見たことがありますか。
竹中 図書館内に展示されているのを見たことはあります。でも、その程度で、詳しいことは知りません(笑)。
糸日谷 僕は今、貴重本の目録作成のアルバイトをしてるんです。貴重本を手に取り、ページをパラパラめくると、歴史の重みがずっしりと伝わってくる。知的好奇心が刺激されて、快感を覚えます。
長谷川 貴重本は、うちの図書館の自慢のコレクションの一つ。学生の皆さんにも是非、関心を持って欲しいですね。


貴重書公開中
学生参加の“選書ツアー”

二藤 今はネット時代ですし、図書館では内外の雑誌情報をパソコンで即座に入手できるよう、電子ジャーナルにも力を入れています。
 また6年前からは、図書館への関心を深めてもらう狙いで、学生と一緒に町の書店へ行き、図書館に置いて欲しい本を選んで購入する“選書ツアー”も始めました。昨年度初めには、絵本が中心の館内での選書イベントも実施したんですよ。こうした新しい試みについて、皆さんはどう思いますか。
糸日谷 電子ジャーナルで言えば、うちの図書館では、日本文学の古い雑誌はまだマイクロフィルム保存なので、閲覧に手間がかかって、面倒臭い。こうした雑誌の電子化もぜひ進めて欲しいですね。(国立国会図書館で進行中。インターネットで公開)
梅津 自分で読みたい本を選ぶ学生参加型の選書ツアーは、すごくいい試みですよね。絵本が中心のツアーのことは今、初めて知りましたが、購入した絵本を図書館に並べる際に、「保育科の〇〇先生がオススメの本」といったコメントを付ければ、より一層、関心を引くんじゃないですか。

利用者の便宜考え、閉館時間の延長を!

二藤 なるほど。それはグッドアイデアですね。では最後に、図書館への注文や要望は何かありませんか。
竹中 LANスペースが足りないので、個人のパソコンが十分に使えないことがある。無線LANを含めて、ネット環境を整え、こうした不便を早く解消して欲しいですね。(次年度対応予定)
梅津 保育実習用に図書館でパネルシアターを作っても、セミナー室以外には、声を出して実演練習できる所がありません。大きな声で練習できる場所がもっと欲しい。これは保育科の切実な願いです。
白井 私が強くお願いしたいのは、利用時間の延長です。今は図書館の開館時間が、原則として平日で、朝8時50分から夜8時までとなっています。でも、大学院生は夜7時頃までスケジュールがびっしり。それ以降でないと図書館へ行けません。そこで、あと1〜2時間、閉館を延ばし欲しい。本当は24時間オープンなら、大歓迎なんですけどね(笑)。
長谷川 いろいろと注文が出ましたね。でも、皆もっともな要望です。
二藤 そうですね。利用者の立場からの貴重な意見ですから、早速、前向きに検討しましょう。本日は長時間ありがとうございました。


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