本年、総持学園鶴見大学が創立50周年、同短期大学部が創立60周年を迎えられることに心から祝意を表します。
 当学園の母体である曹洞宗大本山總持寺は、ご承知のとおり瑩山禅師によって開かれました。文献によれば、瑩山禅師は總持寺に初めて入る際に、「總持の一門 八字に打開す」と宣べられたと言われます。「八字に打開す」というのは、漢字の「八」の字のように末広がりに門が開かれた、という意味です。つまり瑩山禅師は、この本山を「広く門が開け放たれた本山、人々と共にある本山」にしていこうと宣言されたのです。
 この世の全てのものは、周りの多くの支えや助けがあって初めて存在します。我々はそのような関わり合いの中でしか生きられません。それだからこそ狭い自己中心の考えを離れて、他の存在を活かし共に歩む生き方を何よりも求めていかなければなりません。
 伝統あるこの学園で学んだ方、またこれから入学される皆さまには、ぜひ瑩山禅師のみこころ、即ち「皆共に歩もう」という和合のこころを大切にして、ご精進いただきたいと念願します。
 この佳辰にあたり、皆さまからの一層のご支援を謹んでお願い申し上げ、お祝いの言葉といたします。

 

 本年、総持学園鶴見大学が創立50周年、同短期大学部が創立60周年記念の年を迎えるに際し、先人たちの尊い御労苦に思いを馳せるとき、感概深いものを覚えます。
 此処 鶴見ヶ丘で、大正14年女子教育を眼目として大本山總持寺開祖太祖常済大師六百回大遠忌記念事業に設立された鶴見高等女学校は、その後大学・短期大学にも引き継がれ、今なお日本の各地でその名を耳にすることが出来ます。更に、近年社会状況に応じて男女共学になりましたが、教育理念は若人の切磋琢磨の精神を造成させ、その果実を豊かなものにしております。
 現在、私も本学園のひとりとなっておりますが、顧みれば先師も女子短期大学部創立25周年、文学部創立15周年、歯学部創立10周年の節目に学園主として慶祝させていただき、御縁の不思議を感じております。
 来年度は総持学園創立90周年、さらに本山では平成二十七年に二祖峨山韶碩禅師様の六百五十回大遠忌を迎えます。これからも開祖瑩山禅師様の御心を戴いて多くの方々との出会いの有難さを心に躰し、総持学園延いては鶴見大学・鶴見大学短期大学部の更なる発展を期すべく決意を新たにする次第です。

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