風薫る5月─。若葉に包まれた鶴見大学のキャンパスは、
ことしも多くの新入生を迎え入れ、フレッシュな雰囲気に満ちています。
そんな中で、勉学に励み、友と語らい、
クラブ・サークル活動などで青春を謳歌する学生たち。
大学生活をエンジョイする一方で、
大学側に「モノ申したい」こともあるのではないでしょうか。
そこで文学部、歯学部、短期大学部の男女学生3人に、
それぞれのキャンパスライフを通して、
日頃感じている鶴見大学への思いや疑問、要望などを直接、
伊藤克子学長にぶつけていただきました。
題して「学長、質問です!」─。

学長 初めまして。学長の伊藤です。直撃インタビューの前に、ちょっと皆さんの自己紹介を。

山本 歯学部・歯学科6年の山本早希子です。

田中 短期大学部・保育科2年の田中愛です。

伊禮 文学部・文化財学科3年の伊禮拓郎です。出身は沖縄です。

学長 まぁ、はるばる鶴見へようこそ。遠方から来て下さったのだから、しっかり勉強して下さいね(笑)。では、インタビューをどうぞ。遠慮せずに何でも質問して下さい。

図書館の利用時間、もっと延長を

山本 初めに大学図書館の件で、お聞きします。4月から最終学年になり、難関の歯科医師国家試験も間近です。それでよく図書館で勉強するのですが、平日は夜8時で閉まり、日曜は休館です。十分に勉強時間が取れず、困っているのですが、何とかならないでしょうか。

学長 図書館の利用時間については、以前から改善要求が出ているんです。とくに歯学部の皆さんには自習場所が深刻な問題のようで、「全日開放にして」といった声もあります。
 うちの図書館は、大学図書館ランキングでも毎年、上位に入っています。そんな“知の宝庫”を、勉学のために十分活用できないのでは申し訳ない。日曜開館はすぐには難しいのですが、平日の利用時間を延長するよう努力しますので、もう少しお待ち下さい。

田中 私もお願いがあります。保育科の実習時期になると、図書館の絵本や紙芝居を借りる学生が増え、すぐに品切れ状態になります。絵本や紙芝居の量と種類をもっと増やしていただけないでしょうか。

学長 絵本や紙芝居は、保育実習に必須の教材ですし、それは困ったことですね。絵本に限らず欲しい本がない時は、カウンターの職員に直接相談してみて下さいね。
 また、図書館で買って欲しい本を皆さんがリクエストできるのを知っていますか。

田中 いえ、知りません。

学長 図書館のホームページにも載せてありますし、リクエストができるんです。学業や研究を手助けするための図書館ですし、この制度を活用して、皆さんの方からもどんどん購入希望を出して下さい。

大学の特色生かし、地域貢献活動を活発に

伊禮 僕の所属する、うるし研究部会は昨年、大学と地域の交流事業に参加し、英語英米文学科の加川先生たちと一緒に、地元の豊岡商店街のフラッグづくりに携わりました。現在、商店街が保有する2基の古いお神輿の調査をしてみたいと思い、計画を立案中です。
 鶴見大学には文学部・歯学部・短大部と、それぞれ特色ある学部・学科があり、その特性を生かした地域交流、社会貢献活動をもっと発展させたいと考えているのですが、学長はどう思われますか。

学長 大学は以前は研究と学生の教育に専念していれば良かったのですが、時代が変わり、今は地域の振興や課題解決のために、積極的に協力することが求められています。
 そこで、うちの大学でも「地域連携推進課」を新設して、地域交流や貢献活動に力を入れています。豊岡商店街との交流事業はその一つですが、確か歯学部も地域貢献活動をやっていますよね。

山本 はい。今年1月に初めて、町の薬局の一画を借り、歯の無料検診を行いました。この検診には大学の小児科と口腔外科の先生方、それに私を含め学生も5人参加したのですが、とても好評でした。

学長 それは良かったですね。4月からは能登半島の輪島市との交流事業も始まりました。輪島には總持寺の祖院があり、もともとうちの大学とは縁の深いところです。この夏には大学が輪島へ出かけ、市民セミナーなどを開催します。

山本 何だか楽しそうですね。私も参加したくなりました。

学長 地域貢献活動は、私も大賛成です。豊岡商店街との交流事業では、学長裁量経費の中から助成金も出してるんですよ。

伊禮 知ってます。実はそれを希望していて、お神輿調査を計画したのですから(笑)。

学長 どんな調査なの?

伊禮 豊岡商店街のお神輿には、うるしや金工品等がふんだんに使われ、様々な装飾が施されている。貴重な文化財なんです。計画では製作工程や劣化具合などを総合的に調べる予定で、今後、商店街と話を詰めようと思っています。

全学参加のイベントで、学内交流を盛り上げよう

山本 鶴見大学は、各学部・学科が同じキャンパス内にあるのですから、学内交流を活発にして、学生同士、あるいは学生と教職員の交流の輪をもっと広げたいですよね。今は部活などに参加していないと、なかなか学部の垣根を越えた交流ができません。
 そこで大学祭(紫雲祭)のような、全学生が参加できるイベントを増やすことはできないものでしょうか。

学長 うーん、難しい問題ですね。今の若い人は、大人数でのイベントは好まないと聞いているので、全学の体育祭や球技大会のようなものを催しても、果たしてどれだけ参加があるか。交流イベントを考えるなら、大学主導ではなく、皆さんの方から具体的なアイデアを出してもらった方がいいと思うんですけどね。
 それに関連して言えば、オープンキャンパスや入学式・卒業式といった学内行事、あるいは広報紙の作成などにも、企画段階から学生の皆さんに参加して欲しい。それによって行事に新風が吹き込まれ、学内交流にも弾みがつくのではないか。そんなことも考えてるんです。

「一泊参禅会」をもう一度

田中 学内行事と言えば、新入生を対象に、總持寺で催される「一泊参禅会」は、とてもいい体験でした。お寺に泊まっての坐禅なんて初めて。入学したばかりで親しい友達もいないし、最初は不安で嫌だな、と思ったんです。
 でも、坐禅も掃除も、大広間での雑魚寝も珍しいことばかり。精進料理もおいしくて、終わってみれば、とても楽しいひと時でした。入学時だけでなく、2年次以降も一泊参禅会をやっていただけると、とても嬉しいのですが。

学長 他の皆さんの感想は?

山本 私も楽しかったし、とても新鮮な体験でした。できればもう一回やりたいですね。

伊禮 僕も同じです。

学長 まぁ、嬉しい。宗教行持なので、否定的な反応も予想していたのですが、私の思い過ごしだったようです。実は總持寺で行う「日帰り坐禅会」もあるんです。学生支援センターが参加者を募ると思うので、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

伊禮 話は変わりますが、授業のことで、少し。僕は博物館の学芸員になりたくて、学芸員過程を履修しています。以前は必要な科目を履修さえすれば、自動的に学芸員資格が取れたのに、制度変更で、それができなくなりました。こんな場合、どうすればよいのでしょうか。

学長 制度がどう変わろうと、目標に向かって、ひたすら勉強に励むこと。それしかないんじゃないですか。制度は国の事情で変わるものですから、それに左右されるより「この分野では誰にも負けないぞ」という意気込みで、勉学に精進してほしいですね。

初の女性学長でキャンパスに新風

伊禮 もう一つよろしいですか。学生寮の問題です。女子の学生寮はあるのに、なぜ男子寮はないのでしょうか。実は僕のような地方出身者には、学生寮の有無は大きな問題なのです。寮なら毎日の食事の心配をしなくて済むし、余った時間を勉強に充てられます。だから、ぜひ男子寮も作って欲しいのです。

学長 今、食事はどうしているのですか。

伊禮 初めは自分で調理しましたが、つい面倒で、今は外食かありあわせのものがほとんどです。でも、それで一時、健康を害してしまいました。

学長 あら、大変。栄養には十分気をつけて下さいね。今の要望ですが、うちは地方出身の男子学生が圧倒的に少ないので、寮はちょっと無理かも知れません。

伊禮 ただ男子寮があると、地方の男子学生を集める“呼び水”になると思うのですが。寮が無理なら、せめて大学食堂で夕食も出して欲しいのですが…。

学長 これについては少し検討させて下さい。

山本 学長に直接お聞きしたかったのですが、鶴大初の女性学長として、苦労されたことはありますか。

学長 いえ、特にはありません。私の前に、前田先生が初めての女性副学長として地ならしをして下さっていたので、すんなり学長の職務に入っていけました。逆に皆さんの目には女性学長って、どのように映っていますか。

山本 男性のトップが断然多い中で、鶴見大学は新しい風を巻き起こしたな、と。とても嬉しく思いました。

伊禮 大学の雰囲気も変わりましたよね。以前より柔らかくなった気がします。

学長 ありがとう。今日は学生の皆さんの率直な声が聞けて、とても有意義でした。これからもより良い大学づくりに向けて、共に頑張っていきましょう。

 

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