曹洞宗の大本山・總持寺の懐に抱かれた鶴見大学。
都心近くに立地しながら、自然豊かなキャンパスは、
四季折々、様々な表情を見せてくれます。
その中で、学業やクラブ・サークル活動などにいそしみ、
思い思いの学生生活を送る学生たち。
卒業式を前に「鶴見大学の四季」と題し、
この3月に社会に巣立っていく学生、
それに大学院生と教職員を交えた皆さんに、
本学で過ごしたキャンパスライフの思い出などを語っていただきました。
コーディネーターは、全学学生委員長(歯学部教授)の早川徹先生です。

早川 初めに手短に自己紹介をお願いします。

福島 短期大学部保育科2年の福島優美です。もうすぐ卒業です。

秋田 文学部4年の秋田可浪です。所属は英語英米文学科で、大学の長期留学制度を利用し、3年生の時にカナダへ留学しました。

清水 大学院歯学研究科1年の清水賢です。昨春、卒後研修を修了して大学院へ。有床義歯補綴学を専攻し、今は主に入れ歯の研究をしています。

黒井 学生支援センター事務部長の黒井和男です。今日の座談会を楽しみにしていました。よろしくお願いします。

緑いっぱいの学び舎 鶴見大学

早川 さて、それぞれのキャンパスライフを振り返る前に、なぜ鶴見大学を志望したのか。そのあたりから伺いましょうか。最上級生の清水さんからお願いします。

清水 僕の場合は“緑”ですね。オープンキャンパスで来校した際に、總持寺の樹林とキャンパス内の豊かな緑に、もうびっくり。感動さえ覚えて進学を決めました(笑)。

福島 私も同じです。都会の中の大学なのに、緑が一杯で、環境が素晴らしい。もう一つは、オープンキャンパスで感じた好印象です。案内役の学生さんも、先生方も実に親切だったんです。それで、この大学で学びたいと思いました。

黒井 入学後も印象は変わりませんでしたか。

福島 はい。先生方はフレンドリーですし、親身になって相談などにも乗って下さる。先生と学生の距離が近く、「鶴大で良かった」というのが正直な感想です。

早川 文学部の秋田さんは、なぜ鶴大を選んだのですか。

秋田 私は高校が仏教系(駒澤大学高)だったので、鶴大進学も考えたんです。でも、理系志望のため、東海大学へ。ところが、1クラスの学生数が多く、私は勉強に集中できませんでした。その上、通学に片道2時間もかかるので疲れてしまい、1年で退学しました。
 その後、外国人に囲まれてアルバイトをしている時に、「これからは英語が話せないとダメだ」って痛感したんです。それで海外留学制度が充実している鶴大の英語英米文学科へ入り直しました。

黒井 で、3年次に海外留学の夢を果たしたんですよね。

秋田 カナダの州立リジャイナ大学に1年留学しました。

早川 初めての留学生活はいかがでしたか。

秋田 最初は現地の人が何を話しているのか、さっぱり分からず苦労しました。それで気持ちを引き締め、留学中は日本語を封印。英語だけの生活の中にどっぷり漬かり、語学力に磨きをかけました。
 留学できたお陰で、英語が上達した上、世界各地からの留学生仲間との交流などを通じて、視野も広がりました。

魅力的な授業の数々 今も心に

早川 大学生活を振り返って、とくに印象に残っている授業は何かありますか。

清水 一番良かったのは、歯学部の5年次から始まる附属病院での臨床実習ですね。よその歯科大の臨床実習は、学生は見学だけというケースが多いのですが、鶴見の場合は“診療参加型”と言って、学生が患者さんの治療に参加できるんです。
 初めての臨床実習で、僕が担当したのは、歯が一本も無い患者さんでした。緊張の連続でしたが、苦労して総入れ歯を作り、患者さんから「ご飯がおいしく食べられるようになった。ありがとう」と感謝された時は嬉しかったですね。歯科医をめざして良かったと、つくづく思いました。

早川 秋田さんは?

秋田 一番印象に残っているのは、スクリーン・イングリッシュと翻訳演習です。スクリーン・イングリッシュは映画の台本をテキストに、洋画を鑑賞するのですが、生きた英語が学べて大好きでした。
 翻訳演習は英文の小説やエッセイを読んで、日本語に訳す授業です。カナダ留学から戻った直後なので、英文はよく分かるのですが、自然な日本語に訳すのが難しい。語彙不足を思い知らされ、改めて日本語を勉強し直しました。

黒井 ユニークな先生はいませんでしたか。

秋田 いました、いました(笑)。オーラル・コミュニケーション担当のケビン先生。授業を面白くするために、クイズやゲームを採り入れ、賞品にチョコレートをくれるんです。お昼休みに、ネイティブの先生が開く「イングリッシュ・カフェ」にも積極的に誘って下さり、英語の勉強の後押しをしてくれました。とても感謝しています。

早川 福島さんは、どの授業が印象に残っていますか。

福島 「環境」の授業です。校舎外に出て、花や木の種類を調べたり、昆虫などを見つけたりするのですが、たっぷり自然とふれあい、楽しい授業でした。
 実は、それまでの私は虫が大の苦手だったんです。でも、先生が「みんな子供の頃は、虫嫌いじゃなかったんだよ」と教えて下さった。その一言で「幼児相手の保育士になるのに、虫嫌いじゃいけないな」と目が覚めました。今は虫を見ても平気です(笑)。

黒井 それは良かったですね。子供の成長にとって、自然はとても大切なものなのに、最近は自然相手の遊びができない子が多い。虫嫌いも克服できたことだし、保育士になったら、ぜひ自然の素晴らしさを教えてあげて下さい。

未知の世界を体験 印象深い「一泊参禅会」

早川 話は変わりますが、本学には宗教行持の一つとして、毎年、新入生を対象に大本山總持寺で行う一泊参禅会があります。これはどうでしたか。

清水 遠い昔の出来事のようで、記憶が薄れていますが、早起きが辛かったのはよく覚えています(笑)。

秋田 私は高校時代に、福井県の永平寺に泊まって、坐禅をしたことがあるんです。鶴大に入ってすぐの一泊参禅会は、久々の坐禅だったので、懐かしかったですね。お寺の荘厳な雰囲気と精進料理が好きな私には、とても居心地の良いひと時でした。
 一泊参禅会があるのは5月でしょ。入学して間もない頃に、一つ屋根の下に泊まり込むので、クラス仲間のことがよく分かるし、鶴大ならではの、いい催しだと思います。

福島 そうですよね。私も最初はびっくりしましたが、正座してお経を聞いたり、精進料理をいただいたり、全く知らない世界を体験できて、とても為になりました。
 初めての坐禅では、雑念ばかり湧いてきて、お坊さんに警策で2回も叩かれました。でも、思ったほど痛くなく、いい思い出になりました。

クラブ・サークル活動に青春の血をたぎらせる

早川 清水君と福島さんは、学業のかたわら、クラブ・サークル活動にも参加して、頑張りましたよね。部活には、どんな思い出がありますか。

清水 僕は大学では本格的にアルペンスキーをと思い、すぐスキー部に入りました。ただ夏場は体育館で筋トレに励み、ひたすら体力づくりです。あれは苦しかったですね。
 でも、冬になると大会や合宿があり、心が弾みました。毎年、元旦を挟んで1〜2週間は青森のスキー場で合宿です。だから、大学時代は実家でお正月を祝ったことが一度もないんです(笑)。
 大晦日は紅白歌合戦も見ずに、皆で宿舎で飲み明かし、酔っ払った状態で、宿舎の前の神社へ初詣に出かけます。本当に楽しく、学生時代の良き思い出です。

早川 福島さんは、部活は児童文化部のみつる会でしたね。

福島 1年生の終わり頃に、保育科の上田衛先生に誘っていただき、みつる会に入りました。2年生の夏休みには、手づくりの人形劇などを持って、岩手県へ。1日に3つの保育園を回って、人形劇や鶴大伝統の蛇ダンス公演などを行い、現地の子供たちと交流を深めました。

黒井 短大の保育科は、授業スケジュールが超過密でしょ。学業と部活の両立は、大変ではなかったですか。

福島 大変でした(笑)。でも、大学の保育実習以外でも、可愛い子供たちとふれあうことができ、とても良かったと思っています。

手厚い体制で、就活や国試受験をサポート

早川 さて、秋田さんと福島さんは最終学年を迎え、本年度は就職活動で忙しかったのではないですか。

秋田 私は海外留学をしていた関係で、就活のスタートがみんなより遅れ、ちょっと焦りました。それですぐにキャリア支援課に飛んで行き、いろいろと相談に乗ってもらいました。そんな私をキャリアアドバイザーの方が、親身になって支援して下さった。
 お陰様で、ホテル業界の3社から内定をいただき、4月からその中の1社に勤めます。海外展開も視野に入れている会社なので、得意の英語を生かせそうです。

早川 それは良かったですね。福島さんの就活は?

福島 就職先を幼稚園、保育園、福祉施設のどれにするかで大いに悩んだのですが、最終的に、保育園に決め、夏休み明けから就活を始めました。
 でも、私は人前で話すのが苦手で、面接が一番の難関でした。それでキャリアアドバイザーの方に、面接の指導を何度もしていただいたんです。お陰で自信がつき、面接も見事クリアして、青葉区の保育園に就職が決まりました。

早川 清水君の場合は、就活ではなく、大学6年次の歯科医師国家試験ですね。一発合格でしたが、どのように頑張ったのですか。

清水 国試前の1年間は勉強漬けの毎日で、うつ状態になりかけたほどです(笑)。国試では、実践的な治療の問題も出題され、5年次の臨床実習の経験が大いに役立ちました。また試験前は、学生8人に1人の先生が付いて、徹底的に指導して下さった。本当にありがたかったですね。

黒井 本学には学生の学修を経済面からサポートするため、様々な奨学金制度があります。皆さんも利用してますよね。

清水 はい。僕は1年次から6年間、鶴真会や特待生の奨学金をいただき、有効に使わせていただきました。

秋田 私も留学から帰った後、同窓会から奨学金の給付を受けました。感謝しています。

福島 私は2年生の後期から、授業料免除の奨学生にしていただき、経済的にとても助かりました。

「鶴大で良かった」大学生活に大満足

早川 さて、大学の中で一番気に入っている施設や場所はどこですか。

秋田 やはり図書館ですね。洋書の書架の前のイスで、本を読んだり、個室型の閲覧席もよく利用しました。それと教授の研究室。フレンドリーな方が多いので、ほどよく寛げて、私は好きでした(笑)。

清水 図書館は僕も好きですね。とくに国試対策に不可欠な参考書類が完備しているので、よく利用しました。ただ、難点は利用時間が夜8時までと短いこと。この改善を含め、学内に休日や夜遅くでも自由に勉強できるスペースがもっと欲しいですね。

福島 私のお気に入りは4号館のピアノ練習室。空いていれば誰でも自由に弾けるので、よく利用しました。それとオススメは、大学食堂の100円(学生以外は300円)の朝定食。とってもおいしいですよ(笑)。

早川 最後に、後輩やあとに続く受験生にメッセージを。

福島 鶴大での2年間は、とても充実していて、心から満足しています。保育の道を目指す方は、ぜひ鶴見大学短大部へどうぞ。

秋田 留学でも就活でも、自分が頑張れば、大学側が必ず後押ししてくれる。私にとって鶴大は120点です。後輩の皆さんも頑張って!

清水 僕が後輩に贈りたいのは「とにかく勉強を!」。その一言に尽きます。

早川 ありがとうございます。卒業後も母校を忘れず、いつでも自由に立ち寄って下さい。

 

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