Graffiti of Dental Technology

Vol.78 : 『人工歯へのワンポイントマーキングで作業工程をスピーディに』

画像をクリックすると、少し大きめの画像を表示します。


※ 掲載されている記事、文章、画像等を許可なく無断使用することを禁じます

はじめに
 流し込みレジンを用いて義歯を製作する際、流ロウ後に人工歯をシリコーンコアの定位置に戻すことに時間を要する場合が多い。そこで、人工歯に油性マジックを用いてマーキングしておくことで、歯種や左右側の判別がスピーディになり、ストレスなくシリコーンコアに戻すことができるようになった。その結果、作業効率の向上が見られたので紹介します。



流ロウ後にこのような経験をお持ちではないですか?

.人工歯をシリコーンコア内の定位置に戻す作業で、適切な人工歯を見つけられずイライラした経験はありませんか? 適合する人工歯から適宜戻していった結果、中間の歯を戻そうとすると、隣在歯の最大豊隆部が邪魔をして戻しにくかったことはありませんか?

 

1分でできるワンポイントマーキングをしてみましょう!

.1.シリコーンコアの採得後、人工歯の切縁部や咬頭部に付着した油脂分をティッシュペーパー等で拭き取ります。 2.人工歯の左右側が判別できるように油性マジックの色を変えて、切縁部または咬頭部にマーキングをします。
3.通法に従い流ロウを行います。以前はこの工程からすでに人工歯をシリコーンコアに戻す際のイライラ感を覚えていました。

4.人工歯に付着した油脂分を取り除くためスチーム洗浄をします。マーキングが消失することはありません。

5.まず、マーキングの色による左右側のグループ分けを行い、人工歯を戻す順番を決めます。 6.近心から遠心方向へと、順次、迷うことなくスピーディに人工歯を定位置に戻すことができます。
7.重合完了後の状態です。色素の拡散や他部への迷入はありません。

8.完成した全部床義歯です。マーキングはレーズ研磨で簡単に除去でき、色素が沈着することはありません。

 


おわりに
 このワンポイントマーキングは経験から生まれた小さなアイディアですが、シリコーンコアを用いる流し込みレジン重合法においてストレスなく作業を進めることができるこの工程は、私にとって欠くことのできないワンステップとなっています。下顎前歯のみならず、上顎小臼歯または乳前歯などにも歯種を判別する際に効果的で、作業効率の向上につながっています。是非お試しになってください。




Presented by T. MURATA (歯科技工研修科 邑田歳幸)


←BACK     △GO MENU        ▲GO TOP       NEXT→