Graffiti of Dental Technology

Vol.75 : リテンションビーズを利用したクラスプのレジンパターン採得法(筆積み法)

画像をクリックすると、少し大きめの画像を表示します。


※ 掲載されている記事、文章、画像等を許可なく無断使用することを禁じます

はじめに
 筆積み法によるパターン用レジンの築盛ではキャストクラスプの理想的な厚みをコントロールすることが難しい。特に経験の浅い歯科技工士は厚みの過不足を生じやすく変形の原因になりやすい。そこでパターン用レジンにリテンションビーズを混和することで定量的かつ視覚的に厚みを付与できるレジンパターン採得法を考案したので紹介する。



筆積み法で生じやすい問題点

 鶴見大学におけるキャストクラスプの理想的な厚みを示す。(大臼歯・金銀パラジウム合金)

 パターン用レジン築盛時に、理想的なキャストクラスプの厚みを付与することは容易ではなく、過不足を生じやすい。

 採得したパターンをカーバイトバーを用いて形態修正をする。厚すぎるパターンは調整量が多く、作業能率が悪い。

 調整量の多いレジンパターンは変形を生じやすく、特に鉤先部での開きは顕著である。

 

築盛時の厚みを定量的かつ視覚的に確認できるレジンパターン採得法

 パターンレジン(ジーシー)のポリマーに直径0、6ミリのリテンションビーズL (ジーシー)を混和して使用する。  一層でレジンを約0、6ミリの厚さに築盛でき、定量的かつ視覚的に厚みをコントロールできる。
 ポリマーとリテンションビーズLの混和比は1:1程度が適度な流動性があり、筆積み操作に適している。

 鉤腕中央から上腕部にかけて再度レジンを築盛する。ビーズを重ねることにより約1、2ミリの適切な厚みを確保することができる。

 リテンションビーズの細かな凹凸をならすため、仕上げとしてパターンレジンのみで表層覆い、築盛を完了する。

 模型から取り出したレジンパターンには適切な厚みが付与されており、わずかな調整で形態修正を完了することができる。

 適切な厚みが付与されたレジンパターンは調整が少なく、変形を生じにくい。鉤先部の開きがなく適合も良好である。

通法により研磨・完成した適合の良いキャストクラスプ。

 

 


おわりに
 本法ではパターンレジンにリテンションビーズを混和することでレジン築盛時の厚みを容易にコントロールできる。経験の浅い技工士でも視覚的に厚みを確認しながら築盛を行えるため、キャストクラスプの理想的な厚みを理解しやすく、学習効果と作業時間の短縮が期待できる。


Presented byH.Nohira(歯科技工研修科 野平勇人)


←BACK     △GO MENU        ▲GO TOP       NEXT→