Graffiti of Dental Technology

Vol.74 :計測と記録で小窩裂溝の過剰な形成を防ぐ

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はじめに
 硬質レジンまたはセラミックを用いた修復物において,小窩裂溝付近にオペークの色調が浮き出て審美性を損ねていることがある.原因として支台歯やフレームワークの形態不良による前装スペースの不足や術者の不注意による前装材の過剰な形成が考えられる.今回,過剰な形成を防ぐために厚みの計測を行い,記録した数値を基にした形成の方法を紹介する.



オペークの色調が浮き出ている症例
 ハイブリッド型硬質レジンを前装した下顎臼歯部ブリッジ.小窩裂溝付近にオペークの色調が浮き出ている. [左図拡大]前装スペースの不足だけでなく,術者の不注意による過剰な形成が原因と思われる(矢印)

オペークの色調が浮き出しそうな箇所を予測する
 パターン採得時に前装スペースが少ない箇所(丸印)を確認しておく.  フレームワークの完成.赤丸印は厚みの計測箇所を示す.

計測と記録と形成
 オペークの重合後,厚みの計測と記録を行う.この数値が今後の形成量の判断基準となる(単位:mm).  オペーカスデンチンおよびデンチンの重合後も同じ箇所の計測と記録を行う.数値の差で築盛した量を把握できる.

 オペークまでの厚みと形成可能な量を正確に判断するために,途中の計測はこまめに行うとよい.  計測値を確認しながら形成を行うので,経験の浅い術者も安心して作業を進めることができる.

 ハイブリッド型硬質レジン前装冠の完成.小窩裂溝付近にオペーク色の浮き出しや露出は見られない.

 


おわりに
 今回,紹介した方法は前装材の過剰な形成を防止するとともに製作工程の後戻りも回避することができる.計測と記録を利用する方法は臼歯部の修復だけでなく前歯部修復への応用にも有効である.また状況に応じてステインの使用も非常に効果的と思われる.厚みの測定器具とメモ用紙の準備だけで簡単に実行できるので,製作工程のルーティンワークとして組み込んで頂けたら幸いである.


Presented by Y.Miyama(歯科技工研修科 三山 善也)


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