Graffiti of Dental Technology

Vol.73 : 便利な自家製シェードガイドホルダー

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はじめに
 一般にシェードテイキング時の口腔内撮影における重要なポイントとして,シェードガイドを対象の歯と同一平面上に配置することが挙げられる.これは,フラッシュからの距離により光量の差が生じ,色調を正確に判断することができないためである1),2).そのため,シェードガイドの向きや角度を微調整しながら撮影をすることが必要とされる.しかし,シェードガイドの本数が多くなると向きや角度を揃えることや指で保持することに苦労する.そこで今回は,複数のシェードガイドを容易に保持することのできる自家製シェードガイドホルダー(以下,自家製ホルダー)を紹介する.



シェードテイキング時の問題点

シェードガイドの本数が多くなると指で保持しにくく,シェードガイドの向きや角度が不揃いになりやすい.写真(右)の様に同一平面上にあるのが望ましい.

既製のシェードガイドホルダー1を利用すると,向きや角度を揃えやすく,保持しやすい.しかし,下顎の撮影時にはホルダーが口唇や鼻,頬に接触することが多く改善が望まれる.

 

自家製ホルダーの製作

シェードガイドの柄の厚さは0.4oであるため,それよりも薄い0.3oのボクシングメタル2(20.0×35.0o)と弾性に富んだパテタイプのシリコーン3を使用する. パテタイプのシリコーンを平らにのばし,ボクシングメタルをのせる.硬化前に同量のシリコーンをのせ,ガラス練板を用いて厚さ8.0o程度に圧延する.
不要な箇所をトリミングし,ボクシングメタルを引き抜いて完成となる. 使用するボクシングメタルの幅が大きいとシリコーンがたわみ,中央付近の保持力が弱くなる.幅を小さくする(20.0o推奨)かシリコーンを厚くすることで改善される.

 

特長と使用例

特長1.自家製ホルダーは柄の間隔に左右されることなく自由に挟めるため,角度を小さくすることができる.既製のホルダーは図の角度が限界である. 特長2.シェードガイドの柄を重ねることが可能なため,左図の角度をより小さくすることもできる.シリコーンで製作する利点である.

特長3.シェードガイドの柄を自由に動かせることから,反対側の撮影も素早く対応できる.図は上顎右側から左側への撮影をイメージしたものである.

使用例.複数のシェードガイドでも向きや角度を揃えやすく,保持しやすい.また,下顎の撮影時にもホルダーが口唇や鼻,頬に接触することはない.

 


おわりに
 口角鈎を装着したまま開口し続ける患者さんの負担や,歯の乾燥によって色調変化が生じることなどを考慮すると,シェードテイキングはできる限り短時間で行いたい.今回紹介した自家製ホルダーを用いると,複数のシェードガイドも容易に向きや角度を揃えることができ,時間の短縮につながる.また,複数製作しておくとA系統用,B系統用などに対応できより効率的である.

使用材料
*1  クロマスコープシェードガイド (Ivoclar Vivadent)
*2  ボクシングメタル (東洋化学研究所)
*3  コルトフラックス (ヨシダ)

参考文献
1) 小田中康裕 ほか:QDT別冊 若手歯科医師・技工士のためのシェードテイキング超入門,クインテッセンス出版,東京,2007.
2) 林 直樹:A Challenge to Natural Teeth Color & Beyond 審美修復治療を成功に導くシェードテイキングのすべて(後),歯科技工,36 (2): 149-168,医歯薬出版,東京,2008.


Presented byK.Ihara(歯科技工研修科 伊原 啓祐)


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