Graffiti of Dental Technology

Vol.48 :ジルコニアの研削材の選択と研磨の要点

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はじめに
 患者の審美への要求の高まりとCAD/CAM技術の進歩によりインプラントのアバットメントやセラミックコーピングなどにジルコニアが多く用いられている。これらを従来の補綴装置と同様に滑沢に研磨する必要がある。しかし、ジルコニアはサファイアやルビーに次ぐ硬度を有するために研磨は容易でない。
  今回は、様々なジルコニア用の研削材の中から、筆者が使用している効率の良い研削材の紹介と研磨の要点について紹介す
る。


ジルコニア用研削材は様々な種類が販売されている。切削効率や研磨の程度に違いがあるため、用途に合った適切な物を選択したい。




マイクロクラックの対策

過熱によるマイクロクラックを防ぐために、使用するポイントを十分に吸水させておく。作業中も随時吸水させながら使用すると良い。

ジルコニアアバットメント(プロセラ)の余分な部分をダイヤモンドディスクでカットする。スプレーボトルアトマイザーを利用して、注水しながら行うと良い。

1 形態修正
2 粗研磨

形態修正はセラプロ(エデンタ)※1を用いる。研削効率が良く、発熱も少ない。カーボランダムポイントのような削り心地で、厚みの調整や形態修正用として使い易い。

粗研磨は、コアマスター コース(松風)※2を用いる。シリコンタイプでありながら研削力があり、大きな傷の除去や多少の形態修正など効率良く行える。
3 中研磨
4 仕上げ研磨

中研磨はコアマスター ファイン(松風)※3を用いて、細かな傷を取り除く。発熱も少なく、滑らかな研磨面が得られる。

仕上げ研磨はスーパースターV(日本歯科工業社)※4を用いることで真珠のような光沢を得ることができる。柔らかいフェルトやロビンソンブラシでは微細な傷は取り除けないため硬いフェルトホイールを使用する。

 

4−1 仕上げ研磨-フェルトホイールの成形
5 マージンの調整

アバットメント接合部などの細部の仕上げには、硬いフェルトにカーボランダムポイントなどを押し当てて凸レンズ状に成形して用いる。

セラプロ(エデンタ)#G8001※1を砲弾型に成形して用いる。回転数は低速10,000rpm以下で行うとよい。
6 軸面の仕上げ
7 完成したジルコニア アバットメント

ダイヤモンドポイント シンターダイヤ(松風)※5 を使用して、歪みの無い軸面に仕上げる。上部補綴装置のテンポラリーセメントでの合着に備えてマットな仕上げ面とする。

粘膜貫通部は傷の無い鏡面が得られた。また、コーピングのスキャニングに適した歪みの無い軸面と、明瞭なマージンも得られている。


今回使用した研磨器具

※1 セラプロ(エデンタ)#G8001,#8004

特徴:研削効率が良く、切削痕が少ない研削材。
用途:形態修正やマージン付近の厚みの調整。
最高許容回転速度 15,000rpm

※2 コアマスター コース(松風)HP11 青黒色

特徴:
研削力があり、効率良く研磨が行える。
用途:粗研磨およびコーピングのマージン調整用。
図左:調整前 図右:調整後

最高許容回転速度 20,000rpm

※3 コアマスターファイン(松風)HP11,HP10 淡赤色

特徴:
発熱も少なく、滑らかな研磨面が得られる。
用途:中研磨およびコーピングのマージン調整用。
最高許容回転速度 20,000rpm

※4 スーパースターV(日本歯科工業社)

特徴:研磨力に優れ、フェルトホイール・ポリッシングブラシ等に付着性が良く飛散が少ない。
用途: 仕上げ研磨用。


※5 シンターダイヤHP(松風) 30R

特徴:シンタリングタイプのダイヤモンド研削材
用途: コーピングの形態修正や厚みの調整用。
最高許容回転速度
  30,000rpm

 


おわりに
 今回紹介した研磨器具は筆者の経験をもとに選択したものである、ジルコニアの研磨作業が効率良く行えることから職場内での評判も良い。参考にしていただけると幸いである。



Presented byT.Matsumoto(歯科技工研修科 松本 敏光


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