Graffiti of Dental Technology

Vol.37 : 咬合調整されたオールセラミッククラウンの研磨

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はじめに
 オールセラミッククラウンを咬合調整したまま使い続けると、対合歯を著しく磨耗させてしまう。そこで、短時間で滑沢に研磨仕上げをする必要がある。本学附属病院の中央技工室は補綴科診療室と近接しているため歯科医師から咬合調整後のオールセラミッククラウンの研磨仕上げを依頼される場合が多い。チェアタイムを短縮するためにも効率の良い研磨が求められる。今回はオールセラミッククラウンを前歯部と臼歯部に分けて、技工室のみならずチェアサイドでも短時間で研磨仕上げができる術式を紹介する。



咬合調整されたオールセラミッククラウンの研磨
前歯部の場合
1. チェアサイドでカーボランダムポイントにより咬合調整されたオールセラミッククラウン 。 2. 咬合調整された表面の傷をホワイトポイントでなめらかにした後、シリコンポイントPタイプ(松風/PA−11)で研磨する。
3. 次にセラマスターポイントを用いて研磨する。このステップで艶出し研磨に近い研磨面が得られる。

4. 研磨完成したオールセラミッククラウン。

 

臼歯部の場合
1. チェアサイドで咬合調整されたオールセラミッククラウン 。最終的な咬合調整はカーボランダムファインで行った旨、歯科医師から情報提供があった。 2. 咬合接触部にマジックでマーキングして、形態修正時に咬合接触部位が失われないよう配慮する。
3. マーキング部位を残しながらダイヤモンドポイントで隆線と溝を再形成する。 4. ダイヤモンドポイントで形態修正した部位をホワイトポイントを用いてきめ細かな切削面とする。
5. 小径のシリコンポイントPタイプ(松風/PA−11)で研磨する。 6. 次にセラマスターポイントで研磨する。このステップで前歯部と同様に最終研磨に近い艶を得ることができる。
7. 最終研磨はスーパースターVを用いてロビンソンブラシまたはフェルトホイールで研磨する。溝の中などはセラマスターポイントより高い艶出し効果を得ることができる。 8. 研磨完成したオールセラミッククラウン。短時間で滑沢な研磨面を得ることができた。

 


咬合調整に用いるポイントと表面あらさの関係

・ダイヤモンドポイント      (カーボランダムより粗い:約8.89μRz)
・カーボランダムポイント     (粗い:約3.06μRz)
・カーボランダムポイントファイン (やや粗い)
・ホワイトポイント        (細かい)
・シリコンポイントPタイプ     (やや細かい)
・セラマスターポイント      (グレーズに近い表面性状)
・スーパースターV

 ポーセレンをカーボランダムポイントで研削し、セラマスターポイントで研磨した面。カーボランダムポイントの深い傷が出ているためきめ細かな研磨面を得るには時間を要する。  ポーセレンをホワイトポイントで研削し、セラマスターポイントで研磨した面。ホワイトポイントの傷が浅く短時間で良好な研磨面と艶を得ることができる。

 


おわりに
 チェアサイドでオールセラミッククラウンの咬合調整を行う場合、主にカーボランダムポイントを用いることが多い。技工室ではその調整面をホワイトポイントとシリコンポイントPタイプ(松風/PA−11)で研磨し、セラマスターポイントで仕上げる。さらに艶出し効果のあるスーパースターVを用いてロビンソンブラシ又はフェルトホイールで仕上げ研磨を行う。今回報告した臨床例の研磨時間は前歯部では約5分、臼歯部は約8分でした。チェアサイドでもラボサイドでも数種類のポイントがあれば短時間で研磨ができますので、是非お試し下さい。

使用材料             発売元

・ダイヤモンドポイント       株式会社 松風
・カーボランダムポイント      株式会社 松風
・ホワイトポイント         株式会社 松風
・シリコンポイントPタイプ      株式会社 松風
・セラマスター           株式会社 松風
・スーパースターV          株式会社 日本歯科工業社

参考文献
  土平和秀ほか:ポーセレンの研磨の実際/研磨 歯科技工 別冊.医歯薬出版.1979:158−171


Presented byM.Yamaguchi(歯科技工研修科 山口将弘)


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