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Vol 2: レーザー溶接


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レーザー溶接によるコバルトクロム床義歯の修理

 レーザー溶接機の導入により加熱のないスポット溶接が可能となり、その特徴を活かして金属床義歯の修理や改造に応用し、義歯の使用期間を延長することが比較的容易になりつつあります。

 従来、金属床の追加修理は火炎ろう付で行なわれ高度な技術や経験が必要とされました。また、レジンに近接した部位の(10mm以下)ろう付けではレジンへの影響を避けることができませんでした。しかし、レーザー溶接ではレジンから1mm離れた部位であれば溶接が可能で、レジンへの影響も少なく比較的容易にメタルフレームの追加修理が行うことができます。 

 

第一症例

 

 旧義歯(コバルトクロム床)に、下顎右側2番、下顎左側1番5番の増歯と下顎左側4番に鋳造鈎の追加を行うと同時にリンガルバーからリンガルプレートへ変える大がかりな修理です。下顎右側2番、下顎左側1番5番の抜歯に伴い、旧義歯のリンガルバーに補強線をろう付けして人工歯を追加修理したとしても、長期の使用に耐える強度を得ることが困難であると考えられました。そこで、あらかじめリンガルプレートの追加修理片をコバルトクロムで製作し人工歯を追加、旧義歯とレーザー溶接して一体化する修理としました。

 レーザー溶接による変形はなく、口腔内装着時の適合も良好でした。

 

 

第二症例

 

 上顎左側67欠損部にコバルトクロムの追加修理片をレーザー溶接した後、人工歯と床を追加しました。

 レーザー溶接は、本症例で示したように増歯や床の追加、クラス プの修理などの他、鋳造欠陥の穴埋め、咬合を回復するための金属 歯咬合面への専用ワイヤー(レーザーニウムワイヤー)の盛り上げ など幅広く応用する事が出来ます。また、従来ろう付け修理が不可 能と言われていたチタンでもレーザー溶接を応用するとコバルトク ロムと同様に修理することができます。今後、レーザー溶接の可能 性に着目しさらに検討を進める予定です。

参考文献

レーザー溶接のしくみ

 都賀谷紀宏,篠崎照泰:歯科レーザー溶接入門−レーザー溶接を始める人のための基礎知識(1).     QDT,24(6),43〜51,1999.

 都賀谷紀宏,篠崎照泰:歯科レーザー溶接入門−レーザー溶接を始める人のための基礎知識(2).     QDT,24(7),52〜63,1999.

 都賀谷紀宏,篠崎照泰:歯科レーザー溶接入門−レーザー溶接を始める人のための基礎知識(3).     QDT,24(11),43〜51,1999.

レーザー溶接の臨床応用

 篠崎照泰,都賀谷紀宏:日本における歯科レーザー溶接の現状.QDT別冊チタンの歯科技工Part 2    −チタン臨床応用の拡大 2002−,199〜208,2002.

 水野行博,青木孝幸,細井紀雄:レーザー溶接によるチタン床義歯の改造.QDT別冊チタンの歯科     技工Part 2−チタン臨床応用の拡大 2002−,230〜232,2002.

義歯の修理

 細井紀雄,森戸光彦,椎名順朗,水野行博:リライニング&リペアー−義歯機能の回復.医歯薬出版,     東京,1997.

 

Presented by N.Kawamura


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