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症例数・治療・成績
年間の初診者数は約2,700人。その内訳は埋伏智歯やう歯・歯周炎などによる抜歯が約50%、顎関節症などの関節疾患が約14%、歯性感染症約10%、口腔粘膜疾患約5%、嚢胞性疾患約6%を占めている。外来では埋伏歯抜歯、歯根嚢胞摘出術など年間約1,450例の手術を行っている。入院患者数は年間約160人。入院手術症例のおよその割合は嚢胞手術37%、顎変形手術23%、悪性腫瘍手術16%、良性腫瘍手術16%、骨折手術7%である。
★口腔領域悪性腫瘍
口腔領域悪性腫瘍はこれまで390例経験し、そのうち口腔癌の治療はStage分類、患者の年齢、部位などにより放射線療法、化学療法、外科療法の単独または併用を行っている。進行癌では頚部郭清術と原発巣の切除後に生じた欠損に対して軟部組織では前腕皮弁や大胸筋皮弁を用いて再建し、顎骨欠損では骨移植を行っている。また切除後の顎義歯は補綴科に依頼し、形態と機能の回復を図っている。
口腔癌により当科で治療を行った一次症例298例の内訳は舌癌104例、下顎歯肉癌54例、上顎歯肉癌33例、口底癌24例、頬粘膜癌24例、口峡咽頭癌18例、その他41例であった。舌癌のcause
specificな5年生存率は、StageTが95%、Uが88%、Vが71%である。舌癌全体の5年累積生存率は78%であった。歯肉癌その他の治療成績は舌癌と同様またはそれを上回る結果である。
★歯原性腫瘍
エナメル上皮腫などの歯原性腫瘍については、これまで約130例の治療を行い、患者の年齢、腫瘍の大きさ、占拠部位などにより各種治療を行い良好な結果を得ている。エナメル上皮腫については若年者には開窓療法、摘出開放術(反復療法)など顎骨形態保存を重視した治療を行い、顎骨切除術を可能な限り少なくしている。
★顎変形症
顎変形症についてはこれまで200例を超える手術を行った。治療は本学矯正科と共同で治療にあたり、計画的に術前術後治療を行い、一貫した治療を行っている。手術は口腔内アプローチにより顔面に手術瘢痕を残さない方法を選択している。手術に際し自己血輪血を準備するなど、安全な手術を行っている。
★顎関節症
顎関節症は年間約350例。顎関節学会の症型分類に従い、治療をすすめている。症型分類にあたっては、MR画像による円板転位の有無の判定を行い、筋電図や顎運動分析を行っている。症型分類のおよその内訳は、I型32%、U型5%、V型55%、W型7%であった。治療は咬合挙上板(スプリント)や薬物療法による保存療法を先行し、改善がみられない時は、パンピングマニピュレーション、関節腔洗浄療法、関節鏡視下での剥離授動術などを行っている。保存治療の占める割合は約85%である。
★顎骨骨折
顎骨骨折はこれまで650例以上の症例を経験し、その治療は金属プレートを用いた観血的整復固定術を行い、入院期間の短縮を図っている。症例によっては数日の入院期間のものから外来通院のみによる保存的治療を行っているものもある。
★人工歯根(インプラント)治療
人工歯根治療は病院内のチームで治療にあたっており、顎骨の状態の診断は放射線科、埋入は口腔外科、上部構造製作は補綴科、メンテナンスおよび口腔衛生指導は予防歯科、保存科(歯周病科)にて行っている。
★口腔粘膜疾患
口腔粘膜疾患は年間約120例。前癌病変としての白板症、角化異常病変としての口腔扁平苔癬、慢性再発性アフタ、カンジダ症などが多い。白板症や扁平苔癬は切除または生検後に定期的に長期の経過観察を行っている。歯科材料や金属アレルギーによる口腔粘膜病変についてはパッチテストやX線マイクロアナライザーなどにより、原因物質を究明し、治療にあたっている
★歯科治療や口腔外科処置に後遺する下唇などの知覚異常の客観的な判定に取り組んでいる。
★心身障害者・児や寝たきり老人などの訪問歯科診療の二次、三次医療機関としての役割を担っている。
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