研究テーマ

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免疫異常の口腔内発現が全身疾患の重要な端緒となりうることが知られている。 また、多くの全身性の免疫異常が口腔領域に様々な病態を呈することが報告されている。 口腔乾燥を初発症状とする自己免疫疾患シェーグレン症候群、口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍が必発する難病であるべーチェット病、ヘルペスウイルス、パピロ-マウイルスなどの口腔粘膜のウイルス感染と癌化、Epstein-Barrウィルスの唾液腺への潜伏感染とその再活性化などの原因不明の疾患群は免疫異常に起因する口腔領域の難治性疾患と位置づけることが可能である。しかしこれらの難治性口腔疾患の診断法および治療法は確立されたものは無く、しかも本格的な取り組みは為されたことがない。当講座では難治性口腔免疫疾患の発症機構についての病因解明とそれに基づく診断法および治療法の開発を目的とした総合研究を行っている。

シェーグレン症候群の病因ならびに
病態の成立機序の解明と治療法の開発

シェーグレン症候群は診断が困難な難治性の自己免疫疾患であり、その精度や特異性に優れた診断法および治療法の確立が必要とされている。現在行っている検索によりヒトシェーグレン症候群の疾患関連遺伝子が特定されれば、精度および特異性の高い診断が可能となる。また、特定された遺伝子における変異の有無をスクリーニングすることで、潜在的保因者を見いだすことが可能となり、本症の発症予防にもつながると考えられる。さらに、疾患遺伝子を導入する遺伝子治療への応用などが考えられ、従来より行われてきた対症療法に代わる根治的治療法の開発を目指し検索を進めている。

外分泌腺の分化増殖機構の解明と再生医療への応用

自己組織再生の検討は種々の疾患や障害などにより喪失した組織を人為的に構築し、その生理的機能を回復させる事を目的に行われており、従来の対症療法的な薬剤や不完全な人工臓器、免疫学的拒絶反応を生じる移植臓器などにかわる画期的な治療の一つと考えられる。この分野の急速な進歩は、最近の発生学や分子生物学の知見に支えられ、形態形成を司る遺伝子の発見や細胞増殖を誘導する因子の同定により、3次元的な再構築が可能になろうとしているが、唾液腺をはじめとする外分泌腺での知見は極めて少ない。
スティーブン・ジョンソン症候群やシェーグレン症候群などにより消失または著しく傷害された涙腺・唾液腺の再生や残存した腺組織の賦活化を目的に本研究は遂行されている。斎藤らは外分泌腺、特に腺組織が消失する自己免疫疾患、シェーグレン症候群の病因の究明などに長年従事しており、その組織破壊の機序を明らかにしてきた。
一方、涙腺、唾液腺をはじめとする外分泌腺の消失はシェーグレン症候群のみならず、頭頸部腫瘍の放射線治療の際にみられ、多くの当該患者は著しい口腔乾燥症を呈し日常生活に支障を来すことが知られているがこれらの特異的治療法はない。このことから、腺組織の再生機序を明らかにし、3次元的な腺組織の生体内再構築により生理的な機能回復が可能になれば、その実用化への先駆的なアプローチを行う。