授業紹介〈6〉 資格科目・学芸員

資格科目(学芸員)  
博物館情報・メディア論
(博物館情報・メディアの現状と将来 )
 博物館において、社会から求められる情報公開レベルの上昇、管理・公開すべき文化財の数量と情報量の増大から、情報・メディアは不可欠のツールとなっている。管理、研究、展示公開、保存、修復、教育・普及等あらゆる場面で活用される情報・メディアについて、意義と歴史、活用方法とその課題について、実例を挙げながら講義する。

 生涯学習概論
(地域コミュニティを基盤とした生涯学習 )
 テキストを中心にして、プリント資料や映像資料等の補助教材を用いながら、生涯学習に関する基礎知識を体系的に学修します。現代社会に生きる私たちが生涯学習を必要とする理由や生涯にわたって人々が学ぶ意義について概説しながら、学習活動に参加していく必要を自分のものにしていきます。

博物館教育論  博物館における教育プログラムの事例を紹介し、目的や方法、課題を解説する。授業のまとめとして、各自が教育プログラムを立案。実施計画書の作成からそのプログラムの課題をまとめるまでを経験し、本科目に対する理解と教育普及事業の側面から博物館に対する関心を深める機会とする。

博物館資料論
 博物館資料は、博物館に収蔵された資料の総称であり、人文系・理科系・自然系・芸術系といったさまざまなジャンルの学術情報を内包した資料が含まれる。本講では人文系の博物館資料の解説を中心に授業を行う。具体的には博物館資料の概念、博物館資料の分類、資料の収集、博物館資料化の過程、博物館資料の修復、博物館資料の製作、博物館資料の展示などのテーマについて概説する。その中で自ら携わった歴史系博物館の建設や、リニューアル事業の経験に基づき、博物館資料の具体的事例の紹介をあわせて行っていく。
 また、後半にはさまざまな種類の考古資料の観察方法・取り扱い方法について、具体的事例を示しながらその特性について解説する。
博物館資料保存論Ⅰ
(文化財分野における自然科学の利用とその理念)
 文化財の修復や保存を考える上で「材質」の基礎知識は必須である。また、材質を分析する上で必要な科学調査法も、その原理を理解した上で使用することが求められる。博物館資料保存論【Ⅰ】/文化財科学【Ⅰ】では、文化財で用いられる幾つかの材質の基礎知識と科学的な性質を理解し、「文化財」を「材質」として考える見方の初歩を学ぶ。また基本的な科学調査法の基礎原理も学ぶ。

 博物館資料保存論Ⅱ
(文化財分野における自然科学の利用とその理念)
 博物館資料保存論【Ⅰ】/文化財科学【Ⅰ】で学んだ文化財の材質の基礎知識をもとに、博物館資料保存論【Ⅱ】/文化財科学【Ⅱ】では資料の活用と保存の両立を理想とするための「文化財の保存環境」の基礎知識を中心に学ぶ。文化財を取り巻く「環境」とは何か、どのような「因子」からなるのかを知り、「材質」に対して「環境」がどのように影響を及ぼすのかを科学的に考えることを学ぶ。
 また、「保存」と相反するようにも考えられる「資料の活用」とは何か、その基本を学ぶ。
 「災害」においては、今後増加が予想される被災文化財への取り組みも紹介する。

学外館務実習
(現場の博物館で、実際の学芸員業務を経験する。学芸員資格授業の最終段階)
 博物館学芸員としての基本的な知識と技術を、実践的に学ぶことを目標とする。学芸員のより高い学識や資質に対する社会からの要請は年々高度になっている。実際の博物館・園において実際に経験することは貴重な体験となる。1年次の履修ガイダンスから徐々に積み上げて最後の4年目にこの科目の登録履修となる、4年間の学びを凝縮する体験となるので、実習先の指導者とも深い良好なコミュニケーションを保ち、深い学びと経験を得てください。