授業紹介〈4〉 選択科目・考古・美術系列

選択科目(考古・美術系列)   
先史考古学
(先史時代の生業)
 本講義では、まず縄文時代研究の枠組みである縄文土器の編年と放射性炭素年代について概観を行った上で、縄文時代の自然環境とその変動について講義を行う。その上で、縄文時代の生業について、狩猟、漁撈、植物利用に分けて動物骨、魚骨、植物種子・植物種子圧痕といった考古学的資料の検出方法と検出された考古学的資料の種類について概観する。また、それぞれの生業に関わる道具の考古学的資料と遺構についても概観する。
 弥生時代については、研究の枠組みを概観した上で、水田址の考古学的資料について概観する。

歴史考古学
(都市の考古学)
 文字は都市の出現と深く結びついている。大規模な人口を要する都市の成立は、人・モノ・情報の移動が著しく活発化した高度に複雑な社会の存在を前提している。文字もまた、そうした都市社会の複雑性を示す一つの歴史事象である。日本列島を含めた世界各地の事例をもとに、都市と文字の意義、その社会的背景について学ぶ。

日本美術史Ⅰ
(飛鳥時代から平安時代の日本の美術史を概観する )
 彫刻・絵画を中心とする飛鳥時代から平安時代までの代表的な美術作品を取り上げ、構造や表現の特徴、時代的意義等を考察する。

日本美術史Ⅱ
(鎌倉時代から江戸時代の日本の美術史を概観する)
 彫刻・絵画を中心とする鎌倉時代から江戸時代までの代表的な美術作品を取り上げ、構造や表現の特徴、時代的意義等を考察する。

 建築史Ⅰ
(日本建築の歴史・上)
 日本建築はその風土にねざし、適当な時期に大陸から新しい様式を摂取して、優れた外観・内部の特色を形成してきた。その意匠および構造・技術の変化を年代を追って分野ごとに把握する。

 建築史Ⅱ
( 日本建築の歴史・下)
 日本建築はその風土にねざし、適当な時期に大陸から新しい様式を摂取して、優れた外観・内部の特色を形成してきた。その意匠および構造・技術の変化を年代を追って分野ごとに把握する。

工芸史Ⅰ
(アジア工芸史-陶磁史を中心に―)
 素材や技術から生まれる工芸の特質について陶芸を中心に理解する。アジア陶芸史の中心的な存在であった中国陶磁の歴史を知る。併せて中国、朝鮮半島、日本、東南アジア、西アジアの代表的な工芸に関する知識を身に着ける。

工芸史Ⅱ
(染織工芸史)
 染織品は、防寒や防御のように生活に密接に関わる用途のみならず、身分を表したり死生観を表現したりといった社会的、宗教的な目的にも用いられた。この授業では、染織史の展開を軸とし、適宜、服飾や文様の解説を交えながら、なぜその時代にその染織品が生み出されたのかについて理解することを目的とする。

史跡特論Ⅰ
(日本の古墳時代と東アジア)
 日本考古学の中の古墳時代研究の現状と課題を把握するための講義を行う。また、それぞれのテーマに即して古墳と古墳時代の枠組みを解説し、古墳の現況・具体例を提示することで内容把握を促す。

史跡特論Ⅱ
(古墳の埋葬施設と副葬品)
 古墳時代研究の現状と課題を把握するための講義を行う。また、それぞれのテーマに即して全国にある古墳の埋葬施設および副葬品を提示することで内容把握を促す。