授業紹介〈1〉 必修科目・講義・演習

 必修科目(講義・演習) 内 容
文化財研究法
(文化財学の基礎)
 文化財学は大別して、建築・絵画・彫刻・工芸・古文書・典籍・考古資料・民俗資料、さらに史跡・名勝・天然記念物・伝統的建造物群・無形文化財と多種多岐にわたっている。その研究方法も一様ではない。8人の教員が、それぞれの専門分野ごとに、基礎知識と研究方法、さらに将来への保存技術について、概説的なオムニバス講義をする。

地理学
(自然環境と人間生活との関わりについて理解する)
 本講義は、地理学で頻繁に利用する地図について、その基本的な事項を紹介し、地図から読むことのできる様々な事象について説明する。また、諸地域の具体的な事例を取り上げて地形・気候などの自然環境と人間生活との関わりについて解説することで、それらの地域性とそうした差異の生じる要因、あるいはそれらにもとづく諸問題について理解を促したい。

文化人類学  文化人類学とは、フィールドワークという方法を通じて、「新たな生き方」を発見していく学問である。人類学者は、これまで知らなかった社会環境に身を置き、習慣や価値観を共有しない人々と出会い、その人々との接触や交渉を重ねながら、彼らの言語、生活習慣、世界観、社会的ルールなどを学んでいく。こうした過程を通じて、世界の多様性や、世界各地に存在するさまざまな生き方を意識し、分析することが可能となる。その結果、自分がこれまで生きてきた世界や常識が決して自明なものではなく、多様な世界の可能性の一つにすぎないことを認識するようになる。文化人類学は、そのような認識を通じて、新たな生き方を想像し、模索し、創造していく営みであり、ひいては、私たちがどのように生きるべきかという問いを考える契機を与える学問でもある。
 本授業では、テーマごとに世界各地の多様な文化形態を取り上げ、私たちが日常的に「当たり前」とみなしてきた諸概念を問い直すことを目的とする。それによって、これまであまりにも身近で気づかれなかった日常生活の前提や慣習の背後にある「おかしさ」や違和感を発見し、再考する力を養う。また、自らとは異なる文化的背景をもつ他者とどのように向き合い、共存していくのかについても考察する。
 授業の前半(第1回〜第15回)では、文化人類学の方法論と歴史を概説したうえで、主要なテーマについて学ぶ。後半(第16回以降)では、宗教研究の視点から、人間と非人間(動物、植物、霊的存在、物理環境など)との関係、ならびに宗教と科学、宗教と政治などの多様な事例や研究を取り上げる。そのうえで、受講者自身にとっての理想的な生き方を考えるための手がかりを探っていく。

考古学
(考古学の研究方法と調査方法)
 前期は、考古学の基本的年代研究法である型式学的研究法についてヨーロッパにおけるその確立の歴史を青銅器を中心に見た上で、日本における青銅器の型式学的研究を銅鐸などに焦点をあててみる。また、東南アジアの青銅器として銅鼓の型式学についてもみる。そのうえで、後期は、考古学の調査を自身の実践例から紹介するとともに層位学的研究法の歴史をヨーロッパを中心に見た上で、日本における層位学的研究の実践例を貝塚と洞穴遺跡について見る。その上で、東南アジアの貝塚と洞穴遺跡における層位学的研究も見る。これらによって考古学の方法がいろいろな地域で実践されていることを理解する。

歴史資料講読
(日本史の文献史料(変体漢文史料)の読み方と史料批判の方法を学ぶ)
 前近代の日本の文献史料は中国の漢文とは異なる日本独自の漢文体(変体漢文)で記述されている。この講義では変体漢文の文法と読み方の基礎を学ぶことを目的とし、史料を印刷した演習プリントを用いて読み下し文の作成、語句や用語、関連史料の調べ方などを習得する。

博物館概論
(博物館の現状と課題について考える)
 博物館の定義、法制的位置付け、学芸員の仕事、博物館の歴史、博物館の現状と問題点等について、具体的に言及する。

博物館経営論
(博物館経営のための知識(関連法規、博物館施設・組織・財政・活動)および現況と展望)
 学芸員としての意識と、日本の博物館が抱える問題に真摯に取り組む心構えを身に着ける。1970年代以降、新館建設ラッシュで急速に数を増やした日本の博物館・美術館は21世紀に入ると飽和状態になるとともに、日本経済の停滞が影響して厳しい経営を迫られてきている。館の使命を検討して明文化し、それに基づいて自主的に、また外部組織により定期的に運営状況を評価し、改善策を明示するよう求められている。また、公立館への民間活力の効果的な導入も昨今の潮流である。安易な数字による評価や、収支重視と予算圧縮のための民間活力導入という危険が起り得る。2023年4月から施行された新たな博物館法に則り、社会の文化芸術発展に貢献するためにあるべき学芸員と博物館の姿を再確認しながら、現況の課題を解決するための鍵を経営論の視点から論じる。

文化財演習Ⅰ  文化財学科の専任教員によるゼミナールです。自分の学びたいジャンルに当てはまる教員を選択できます。 

文化財演習Ⅱ  文化財学科の専任教員による卒業論文の作成を目的とするゼミナールです。自分の学びたいジャンルに当てはまる教員を選択できます。

卒業論文  大学4年間の総決算である「卒業論文」を作成します。