平成17年度春季講演会
薩摩琵琶で語る平家物語の世界

 平成17年度鶴見大学文化財学会春季講演会は、『薩摩琵琶で語る平家物語の世界』と題し、薩摩琵琶晴風会会長の山下晴楓先生をお招きして、6月4日土曜日当大学大学会館にて開催されました。
  はじめに本大学教授の関幸彦先生より、山下先生のご略歴及び平家物語についてのお話がありました。お話の後、関先生のご紹介により山下先生が御登場、一曲目『実盛』を御演奏いただきました。
  ご演奏後、配布された資料に基づいて、琵琶全体の歴史とその変遷、薩摩琵琶についての説明をお話いただきました。そして、当日山下先生よりご用意いただいたテープにより、平安時代の琵琶の譜から復元された曲、敦煌の莫高窟から発掘された敦厚琵琶譜(漢文付き)、平調越天楽、般若心経、現代の中国琵琶等、琵琶の種々音色を先生のご説明を交えながらお聞かせいただきました。



<ご演奏中の山下先生>


休憩を挟みまして、二曲目『先帝入水(抄)』を、普段は曲にいれない平曲の語りの部分を加えて御演奏いただきました。

 最後に、山下先生と聴講者との間で質疑応答が行われました。現代の薩摩琵琶の製作状況・琵琶の演奏技法・調弦・装飾・平曲の伝承状況など、様々な質問が飛び交い、とても充実した時間となりました。

 普段触れることの少ない琵琶の世界は、私たち聴講者にとってとても貴重な時間となりました。また休憩時間には、山下先生のご厚意により、この日お使いになっていた薩摩琵琶を間近で拝見させていただきました。当日は雨の心配があったため、湿気を吸ってしまう(素琵琶)ではなく、漆の施された琵琶でした。



<薩摩琵琶と撥>